知恵通信

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2010.11.29

中国日系企業成功の秘訣3
~中国の街角モラールを社内に持ち込ませるな~

人事顧問 佐藤忠幸

前回、管理職と経営者の違いを自覚するようにお願いしましたがいかがでしょうか? ご自分が経営者の立場に立った途端、ご自分自ら方向付けし、自ら解決しなければならないことの多さに気がつかれるはずです。

中国のモラール

上海万博は無事に終わりましたが参観者は万博史上最高の7千3百万人以上だったそうです。このGDPへの貢献は計り知れないものがあり、来年以降にもこの影響は持続するそうです。同時に、中国人のモラールの低さを批判する中国各誌での記事氾濫が今年の特色でもあります。過去、外国メディアからの批判はあったものの、中国メディアにこれだけ取り上げられたのは初めてだと思います。これは、急にモラールが低くなったのではなく、国際化を目指す中央政府の姿勢の変化です。

例えば、都会の交差点に立つと、ある種の恐怖を覚える日本人は多いでしょう。決して歩行者優先とは言えない交通事情の上、歩行者自身が交通法規を破る場面もしばしば。同じような光景は、観光地でも見られます。果実の殻を捨てる。希少植物保護のための柵を無視して、柵内での写真撮影など。

この状況を会社に持ち込まれたらどうなるでしょうか?

経営者が見ていないから、管理者が叱らないからということで、社内のルールを無視されたら、その会社はどうなりますか?
御社の名前で、安心して製品を売ることはできませんね。
中国だから仕方がないと、経営者のご自分があきらめたら、その会社は終わりです。現実にそうなって経営不振となる企業は数限りなく見られます。放っておけばそうなるものだという前提で、如何に対策を施すか、如何に教育するかの方向付けと指示をすることが、総経理はじめ高級幹部の使命です。

その1、ルール作り

まず重要なことは、ルール作りです。やってはいけないこと、よいことを明確にすることです。就業規則はじめ、諸規定や各標準類の整備が必要です。信賞必罰の制度や仕組みも必要です。これらは、会社が大きくなってからでは困難です。会社が小さなうちに、将来を見据えて整備し、基礎を固めなければなりません。まだ、会社ができたばかりだから、まだ小さな会社だからといって整備しなければ、ばらばらな管理思想と姿勢で幹部が育ってしまいますよ。社内で作ることが困難なら、私どものような専門業者にご相談すれば、経営者とご相談しながら御社に最適な諸制度と標準類ならびに仕組みを作成できるでしょう。

その2、ルールの遵守、適用

次には、作ったルールは絶対に守ることです。作った会社も当然守ります。守れないようなルールは、守れるルールに改めるべきです。一つでも例外を設けて会社がルール外のことをすれば、ルールは無いと同じです。いや、無いよりも始末が悪いでしょう。無ければ作ることにより、次から守らせることは簡単です。しかし、ルールはありながら形骸化した状況を改めることは容易ではありません。

同様に、ルールの適用は厳格に行わなければなりません。悪質な罪を犯した者に対して、彼は初犯だからあるいは重要人物だからといって軽い処分で済ませたら、以降同じケースでも罰せられなくなります。彼のときは軽い処分だったのに、私のときは解雇とは不満であると訴えられれば、ほぼ確実に会社の負けです。

その3、社員教育

次に必要なことは、社員(特に幹部)教育です。なぜそのルールが必要なのか、どうやって守らせるか等々です。少なくとも、管理者がその気にならなければルールや制度は全く有名無実になります。
ご自分でできなければ、ルール作り同様に業者にご相談してください。

その4、経営者の信念

最後に、経営者の確固たる信念です。ルールは絶対会社も守り社員にも守らせ、世界に恥ずかしくない立派な企業にするのだ、という強い信念があれば、大部分の社員もその気になるものです。
これだけは、どんな業者にも委託できません。
このシリーズの最初に書いたように、ご自身が変わるしか方法がありません。
自分を変えられない経営者は交替すべきです。

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