知恵通信

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2011.02.21

中国日系企業成功の秘訣6
~コミュニケーション その3~

人事顧問 佐藤忠幸

前回まで、コミュニケーションの難しさと重要性そして、中国語よりも正しい日本語を、そして業界用語・カタカナ用語は通じない、さらに文法を守れ、言葉の手抜きをするな、などを学びました。
しかし、「あの通訳は、役に立たない」という日本人の主張がある一方で通訳は、次の不満を訴えていました。

「日本人は、知らない言葉ばかり言っているので通訳不能」
「日本人が、言っていることは分からない、聞き返すと怒るので適当に通訳するようになった」

このような通訳の問題点を勉強します。

指示、依頼、忠告の3段階と優先順位を明確に

日本人どうしの言葉であいまいな代表に、「指示・命令」、「依頼・お願い」、「忠告・指導」、の3段階のうち何処に当る発言なのか不明確だということがあります。


数十年も付き合っていれば、言葉の調子や雰囲気で分かってもらえても、中国人が相手の場合はこれを明確にしなければ動きません。指示・命令なら納期や優先順位が(特に緊急事項には)重要です。逆に、定常業務の合間に考えてくれという程度の依頼仕事を、定常業務を放り出してやられても困りますね。


赴任者は、指示のつもりで「XXを頼むねー」と軽く言うことがあります。直訳すれば依頼事項であり、指示ではありません。暇なときにやればよいことです。それを後で「中国人は、言うことを聞かない」と怒っても逆効果だけです。明確に「XXをいつまでにやりなさい」と言わなければ行動されないと認識すべきです。中国では、重要なことは指示書・命令書を出すことが珍しくないのはそのためです。

通訳には人格がある、一人歩きする通訳

「あの通訳は、役に立たない」という前に、前号までに学んだ注意事項を守って話しているかお考えください。もちろん通訳にはレベル差があります。低レベルなら高いレベルに育てるのもあなたの仕事です。
通訳には、よくも悪くも人格があります。あなたを尊敬すれば必死に勉強し真意の理解に努めます。尊敬しなければその場限りのごまかしに走ります。
最悪なケースでは、「私は偉い日本人の通訳だ」と虎の衣を借りた狐になり、自分勝手な通訳で一人歩きされ、あなたの意とは全く違う言葉で話されてしまうことさえあります。

知らないのと能力が無いのとは異なる

「中国人は、自分では何もできない」という言葉もよく聞きます。中国人が理解できない、間違えるのは、伝える努力と技術が足りないことの表れです。また、中国人が知らないのと能力がないのとは異なります。知らなければ教えればよいことです。何もできないと嘆く前に本当に教えているのか振り返ってください。

話の効果の決定権は相手にあり

逆の観点で、「もっと考えて行動をしろ!」「もっと考えてから発言しろ!」と赴任者が怒っているのをよく目にします。
一般的に、中国人に指導すると詳しく説明もする前に「明白(分かった)」「無問題」「OK」との返事が直ぐにきます。それを真に受けてはいけません。

中国人が「明白」などと答えるのは、自分が聞いた範囲、理解した範囲で素直に答えているだけです。このように、思ったことを直ぐに行動に移し、発言するのは中国人の特徴です。相手が、どの程度理解したうえで、どのような背景で答えているのかは、指導者が判断すべきことです。「明白」と答えたから任せたのに・・・・・と怒らず、自分の話し方と理解力を反省すべきです。

コミュニケーションの原則は「話の効果の決定権は相手にあり」です。
また、何のために話すのでしょうか?
話す、すなわちコミュニケーションをとるということは、相手に何かしらの行動をさせるためです。
相手が、期待する行動をとってくれないということは、コミュニケーションが取れていないと判断し、工夫をして何回でも挑戦してください。
その、真摯な姿があれば、相手も心で感じてくれますよ。

積極的傾聴法(アクティブ・リスニング)でコミュニケーションを

日本には、積極的傾聴という方法があります。

◇耳で聞いて、口で答える・・・・・×
◇心で聴いて、心で応える・・・・・○

あなたは、どちらで応答していますか?
相手の立場と環境、文化の違いを考えた聴き方と応え方が必要だというわけです。
相手の大部分は、心から聴いてくれていると分かれば、話しただけで納得するものです。

話し上手は、聞き上手!

コミュニケーションは永遠の課題ですね。

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