知恵通信

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2013.07.08

中国日系企業成功の秘訣 13
目標による管理 その①

人事顧問 佐藤忠幸

 中国への赴任者とお話していると「忙しい!忙しい!仕事に追われて考える暇もないよ」とのお話を聞きます。特に営業系の方にその傾向が強くあります。

まず事例を見てください。

事例、モチベーションアップと教育

 上海市内にある、日系貿易会社の事例。この会社は創業3年目であるが、さっぱり売り上げが伸びない。扱う商品は、親会社が扱っているものなら何を売ってもよいと自由度が高く与えられており、売るものに不足はない。

 これでは会社が危ないと、親会社から派遣されている管理部長から「営業部員のモチベーションアップ教育ならびにセールスマン教育をして欲しい」とのありがたいお話があった。

 しかし、お伺いし管理部長のお話をお聞きした結果、営業部員教育だけというのはお断りした。その前にやるべきことが山積していたからである。 現状をうかがった順序は次のとおり。

1.営業部員に個人目標は与えているか
2.(1がYESなら)営業部長は個人目標を達成するためのOJT教育はしているか
3.(2がYESなら)目標達成または未達成に対する適正な人事評価制度はあるか、また歩合給など成果に報いやすい給与制度はあるか
4.営業部の目標はあるか
5.会社の目標、事業計画はあるのか、それを作るために営業部長は参画しているか
6.会社として幹部教育をしているか
7.会社としての経営方針はあるか

目標設定とその管理、そして教育と評価

 企業としてやるべきことは、7番から順次1に下りていきます。これは、前にも学んだことでもあります。それらをしなくて、営業部員のモチベーションアップ教育をし、販売テクニックを教えたらその営業部員はどうなるでしょうか?幹部不信、会社不信をまねき辞めるだけです。何をすれば、売り上げも伸び営業部員も辞めずにがんばれるかはお分かりでしょう。 適切な目標設定とその管理、そのための教育と適切な評価がモチベーションアップと業績向上の鍵を握っています。事例は営業マンですので、ついでに優秀な営業マンとはどうあるべきか考えてみましたが管理者のあり方と共通ですね。

営業マンおよび管理者は自らPDCAサイクルを

 営業マンおよび管理者は、能動的でなければなりません。しかし、上司・部下・同僚、工場、顧客、取引先などの影響を強く受けやすく、日程に追いかけられる傾向が強くあります。 しかし、日程に受動的に追いかけられる者は、単なるメッセンジャーに終わる可能性があります。日程を、能動的に追いかける存在にならなければなりません。
すなわち、
 方針をたて、戦略をたて、戦術を考え、計画を作り、調整し、行動する。結果を見ながら修正・対策を考える。すなわち自らPDCAサイクルをまわすことです。まわされる立場ならメッセンジャーボーイですね。PDCAサイクルとは、次の図のごとくで表されます。

PDCA Cycle

目標は、努力すれば達成可能な極限を見極めて、出きるかぎり高く設定します。目標と現状との差が、問題点であり、改善目標です。PDCAサイクルを廻しながら、目標という頂に向って坂道を登って行きます。改善が止まればPDCAサイクルも止まり、坂道を転げ落ちます。
企業活動というものは、一時停止もできません。

目標設定が出来れば、その業務は60~70%終わったと言われます。 逆に言えば、忙しい!忙しい!と言って、目標設定もしないで闇雲に業務に向かっている方は、実は忙しそうに空回りだけをしていることが大半です。

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