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2013.09.06
中国日系企業成功の秘訣 15
目標による管理 その③
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人事顧問 佐藤忠幸
前号まで、目標による管理の理論的な説明でした。しかし、実際に実施するのはそう簡単ではないですね。まず、「それを管理・指導する者がいないよ」と云われるでしょう。
現実はそのとおりでしょう。それらを含めて如何に実行するかを考えていきます。
1.幹部との意思疎通と信頼関係
目標管理に限らず、新しいことをする場合に幹部の協力なくして実現困難です。中国人幹部に1人でも多くの共感者を作らなければなりません。もちろん総経理が命令すれば幹部の多くは従いますが、面従腹背では全社的な拡がりと継続を望むことはできません。
したがって、共感者が必要なわけです。そのための日常の心からの意思疎通が欠かせません。それにより信頼関係も生まれることと思います。
2.幹部・社員の教育
多くの企業の幹部は既製品を中途採用しています。管理能力や技術力があるといっても他社でのやりかたと方針で育った者ですので、自社の方針とやり方にしたがって教育する必要があります。
手法や幹部基礎教育など一般論の指導は外部に委託できても、経営思想や方針など基本的な事項は総経理自ら教えなければなりません。 いずれにしても、階層別に、月別に教育計画を作る必要があります。
その前に、教育方針を立てる必要があります。ジョブローテーションも含めて、社員をどう育て、どう伸ばして行くかの方針を基に教育体系と計画を作成してください。
一般的教育体系(能力開発体系)は、職務拡充(職務拡大・充実、ローテーション)と自己啓発(プロジェクト参画)、そして教育訓練の三本柱で行います。
3.幹部・社員と経営方針・目標の共有化
基礎教育が終わったら、すなわち下地ができたら、具体的な方針と目標の設定に入ります。
会社の方針と目標、各部門の方針と目標、個人の方針と目標と、各々の作成に入りますが、ここで重要なことは、その方針や目標が上からの押し付けやお仕着せではなく、幹部も参画して作ったもの、即ち自分らが作ったというものでなければ実現不能です。自分らも参画して作ったものであれば、実現に責任も分担し、実現に向かって英知を集めてくれるでしょう。そうなって、初めて方針や目標を共有化したといえます。
現実的な問題として、幹部会で「来年の方針と目標を決めよう。意見を出してくれ」と言っても意見は出ないでしょう。したがって、総経理や部門長は自分の腹案を持っていなければなりません。その上で会議にのぞみ、意見を引き出して会議で決めた、即ちみんなで決めたという段取りを踏む必要があります。何回かこれを繰り返しているうちに本音が出るようになって来るでしょう。
4.決意表明
方針や目標が決まったら、総経理みずからその解説と合わせてやり抜くという決意を表明しなければなりません。全体朝礼や幹部会での発表はもちろんのこと、通達、社内報、壁新聞、各職場朝礼での唱和などで徹底し、単なるスローガンに終わらせないことが肝要です。
その上で、職場目標や個人目標に下りてくれば、否が応でもがんばってくれるでしょう。今度の総経理は本気のようだよと。
5.実施
実施の段階になっての注意および検討事項は次の如し。
(1) 目標設定
(2) 目標遂行
(3) 成果測定・評価
(4) 改善・対策・反映
容易ではないですね。
いずれも、会社が小さなうちにスタートしないと大変ですよ。